瞬間風速-筆記帳

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クライフとバルサとバルサっぽい世界

バルセロナ クライフ コラム




これは
サッカーの事がよく解らない人に向けて書いた
バルセロナという世界最強チームを創ったとされる
クライフ本人が生前語っていた話(数年前にバルサTVで放映)を
筆者が脳内再生して
ごにょごにょして
再構築した話である




前置き







FCバルセロナ
通称バルサは既に100年以上の歴史があるサッカーチームだ




100年も経っていると
関わってる人の数も数千数万になる
そんなバルサ史において
こんな言葉がある




クライフ以前
クライフ後




アップルのスティーブ・ジョブズで言うと
ジョブズのいるアップル
ジョブズのいないアップル
が別物扱いされるのと同様




クライフが現れるまでのバルサ
クライフが現れてからのバルサ
は別物として扱う




クライフはそういう存在として以前から認知されていた




困ったクライフ君





選手時代
面白いエピソードがある




前回大会
ワールドカップで準優勝だったクライフ擁するオランダ




ワールドカップには予選大会と本大会がある訳だけど
クライフは予選大会のみ出場




エースだったクライフは当然本大会にも出場し活躍しないとチームは勝てない




訳だけどクライフは出場を辞退してしまう




なぜか?




本大会で強い相手と戦って
また決勝で負けるなんてヤダ!
あんな想いをするくらいなら出場しない




のたまう




ジャンプも
サンデーも
熱血スポ根マンガ業界
真っ青な展開




強い相手と対戦して負けるのが嫌だから
ほっぽり出して逃げるエース




クライフ君はそういう性格だった




スター気取りではなく
ホンモノのスターだったので
ホンモノの中二病
だったのね…




ただ
クライフ抜きのオランダは
それでも決勝まで駆け上がった
そして
また決勝で負けた




のたまった事が現実化し
クライフは何を思っただろうか




監督クライフ





選手を引退しクライフは監督に




監督としてのクライフは
美しいサッカーを目指していた




ただ勝つだけではなく
パスをパパパパっと繋ぎ
点をポポポポっと取るスタイルだ




んなもん理想論だろ




そのとおりだった




監督は会長が決めるもの
会長が会長ならばクライフはバルサの監督になれていなかった




サッカーチームにおいて
組織のトップは監督ではなく会長だ
監督とは現場監督であり
運営のトップは会長がしている




会長は選挙によって決められる
会長選に勝つには人気取りが必要になる




当時の会長は不人気で次がヤバそうな状況だった




選手としてスターだったクライフを
客寄せパンダとして呼び
監督やってみない?
と持ちかける




書いた様にクライフは理想論者




「監督やってもいいけど理想論ぶちまけるよ?」




会長の方はコテコテの豪腕政治家タイプ
実際
20年も会長職に居座ってた輩




「おう私を会長選で勝たせてくれるなら
選手を買ってくる金くらい幾らでも手配しよう」




2人の利害はみごとに一致




最高の選手たちをかき集め
4年連続優勝の実績を残す




結果としてはそうなんだけど
クライフがやっていたのは美しいサッカー
ただ勝つだけでなく勝ち方にうるさい
パスをパパパパっと繋ぎ
点をポポポポっと取るスタイル




実際は
3点取られても4点取れば勝てるじゃんスタイル
勝つにしても
1-0で勝つなんてつまんないじゃんスタイル
負ける時は負けていた




バルサといえばパスサッカー





パスをパパパパっと繋ぎ…
それを
パスサッカーをするという訳だが
今でこそ世界で共通理解されている
バルサと言えばパスサッカー
という認識




それはクライフ個人が好きだから始めたスタイル
クライフ以前は
バルサと言えばパスサッカーではなかった




パスサッカーをするには
それなりな技術力がいる
そして
みんなが上手い選手である必要がある




下手なのが混じっててポカをしたんじゃ成り立たない




金を湯水の如く使えてた時は
上手い選手を買って来て配置
パスサッカーが可能になる




と同時にクライフは
パスサッカー用の人材を育成しようとした




チームお抱えの10代の選手見習いに対し
将来成長して自分が監督しているチームですぐ使える様に
パスサッカー用の選手を作るシステムを創った




これが
クライフがバルサを創ったと言われる理由




はじめはクライフ好みのサッカーをするための人材発掘方法





上手い選手を買って来てパスサッカーをさせる


自前でパスサッカー用の選手を作る




選手を買ってくるやり方で優勝するにはしたが
崩壊は必然だった




買ってくるのは上手い選手
上手い選手は我が強い
クライフ自身も我が強い
衝突→崩壊




一方
パスサッカー用に育成された選手たちは覚醒する




10代の多感な時期にパスサッカーのイズムを叩き込まれる
上手さと協調性を叩き込まれる




パスは独りで練習出来ない
相手とのタイミングを計るとかやってれば
おのずと協調性が身につく
ちょっと上手いからといって天狗になどなってられない段階から
イズムとしてすり込まれる




それは
超優等生育成機関




そこで育った者たちが選手として配置されているチームが世界最強の地位にいる
選手たちは選手たちで
クライフのおかげで地位を得た事を自覚している




理想論に留まらず
手足となる人材を育成する




理想論者が私利私欲の為に作ったシステムが目指すは
美しいサッカー
それは
見ていて面白いサッカー




バルサっぽい……って?





パスサッカーをするチームを称する時
バルサっぽい
という言い方をする




クライフが単なる好みで創りあげたバルサ像は
いち形容詞として一人歩きして世界中で使われるまでになっている
むろん
今ではその好みを押すのはクライフだけではなく
世界中の人々が共感している




その
クライフが…



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今週末
ライバルチームにあたるレアル・マドリードとの決戦がある




ただでさえ因縁深き対戦相手
ただでさえ世界最強と言われるバルサが
クライフの追悼というタイミングで
どんなレクイエムを捧げるのか
息を呑んで見入りたい




 
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