瞬間風速-筆記帳

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【行きつけの店】白バイ野郎がキューピットになって、ラーメン屋のおっちゃんと仲良しになった話

 


その日の正午頃

 

原付スクーターに乗っていた脳主は

 

新宿A地点にて白バイ野郎に捕獲されていた

 

 

 

 

憎っくき白バイ野郎

 

 

むろん白バイ野郎との遭遇は

 

歩いている時ウンチを踏むくらい

 

避けたい事象な訳だが

 

白バイウンチ野郎とのコンタクトは

 

ウンチを踏むより高確率で出くわす悲劇

 

運命を呪うしかなかった

 

「何で静止させられたか解る?」

 

路肩にバイクを停めると

 

白バイ野郎は得意げに言って来る

 

原付は法定速度が30キロ

 

もう原付に乗ってないので今調べてみたけど

 

いまだにこの悪法は有効の様だ

 

原付のメーターには60キロまで表記されてるのに

 

頑張っても30キロしか出せなかった時期に出来た

 

前時代的な悪法を振りかざして

 

白バイ野郎は迫る訳だ

 

法改正はされない様で…

 

 

「今時30キロでチンタラ走ってたら遅過ぎて危ない」

 

そういう真っ当な声は

 

バイク業界などからあがっている様だけど

 

30キロ以上出して事故るヤツと

 

30キロ以下で走ってて事故るヤツを比べた場合

 

30キロ以上出して事故るヤツの方が多いからダメ

 

というデータを持ち出して

 

法改正されない運びとなっている

 

「んなもん原付に限った話じゃね〜だろうがぁ!」

 

「だったら全部の車両を30キロ以下で走らせろ!」

 

とか思うんだけど?

 

新宿A地点から新宿B地点に移動

 

 

白バイ野郎とバイバイしてから

 

新宿へやって来た

 

本来の用事を済ませたら腹がへった

 

午後の4時頃に遅めの昼食を取る事にした

 

「そうだなぁラーメン屋にでも行くかな」

 

新宿B地点にある店が頭に浮かんだので向かう

 

当時その店に行ったのは3回目くらいだったはずだ

 

「行きつけ」と言うにはまだ早い段階で

 

店の人間とも話をする程ではなかった

 

10畳程のこじんまりした店で

 

小綺麗だけどまあ普通のラーメン屋だ

 

手動の扉を開け

 

時間が時間なのでガラガラの状態の店へと入り

 

以前も座った店内を見渡せるイスに座った

 

そして

 

ふとレジの方を見ると別の客が会計をしていた

 

ヤツがいた

 

 

新宿はでかい街

 

同じ新宿内なのだが

 

A地点からB地点まで1kmくらい離れていた

 

ヤツにA地点で会ったのは正午頃

 

B地点のラーメン屋に入ったのは4時頃

 

1日経てば顔を忘れたかもしれないが

 

ついさっき見たヤツの顔は覚えていた

 

「 白バイ野郎ぅぅぅぅぅ!!!!! 」

 

そう

 

レジで金を払っていたのは白バイ野郎だった

 

あわわわわわわわわわわわわわ

 

 

制服ではなく私服だった

 

シフトの関係で早番だったのか

 

制服で飲食店入っちゃまずい事になっているのか

 

そういえば

 

警官ですら制服で見た事あるのはコンビニくらいで

 

飲食店で食事してるのを見た事ないけど…

 

今回の白バイ野郎の場合

 

顔に特徴があったから見抜けた訳だけど

 

制服で飲食店に入っちゃならんとかの

 

何かルールがあるんだろうか?

 

ともあれ入れ違いで

 

白バイ野郎は会計を済ませ店を出て行った

 

レジで相手をしていた店員のおっちゃんが

 

こっちにやって来て注文を聞く事に

 

「い今の人、白バイの人で、ついさっきキップ切られた」

 

思わずろれつが回らない感じのまま

 

おっちゃんに向かって喋り掛けていた

 

「あぁそう」

 

江戸っ子気質なおっちゃんは

 

顔をひょっとこ顔にしていたのを覚えている

 

おっちゃんと仲良しになる

 

 

おっちゃんもバイク乗りだった

 

ラーメン屋の出前でバリバリ活躍中の

 

「あんにゃろ白バイだったのか

 

今度店に来たら

 

ラーメンに雑巾搾った特製スープ入れたろか」

 

危うし白バイ野郎

 

本気とも冗談ともとれる発言は

 

脳主以上に白バイ野郎に対する敵意が込められていた

 

何があったんだ?

 

「だってあいつの顔店で何度か見てるし」

 

危うし倍増白バイ野郎

 

脳主にチクられたばっかりに特製スープの餌食に?

 

全世界のバイク乗り

 

いやおそらく車乗りからも

 

白バイ野郎は嫌われているのだろう

 

それから何十回とそのラーメン屋に行って

 

行くたびにおっちゃんと喋る様になった

 

「あんにゃろあれから全然店に顔出さないんだよ」

 

こっちが白バイ野郎を店内で見て

 

びっくらこいた様に

 

白バイ野郎もこっちの存在を知って

 

びっくらこいたのかもしれない

 

いや

 

単に担当地区が移動しただけかもしれないが

 

白バイ野郎はスープの餌食をかわしているらしい

 

その店は

 

とある食材が入ったラーメンを出す事で

 

一部の人間には有名な店なのだが

 

もともと先に常連だった白バイ野郎が

 

その味を求めてその店に来ていたとすると

 

お気に入りの店に来られなくしてしまった事になり

 

大変申し訳ない

 

などという事は

 

コレっぽっちも思ってはいない

 

「 や〜いや〜いザマミロ〜 」

 

それから月日が流れたけど

 

今もそのラーメン屋には行っている

 

たぶん

 

この白バイ野郎との出会いがなくとも

 

ラーメン屋には行っていただろうけど

 

おっちゃんと仲良しになっていたかは疑問

 

今では

 

白バイ野郎以外の話題も話す様になったけど

 

白バイ野郎は

 

自分がキューピットになって

 

脳主とおっちゃんを引き合わせた事など

 

知る由もないだろう

 

サンキュー白バイ野郎

 

いや

 

あの後払わされた罰金

 

返せ

 

おっちゃん

 

また食べに行くね

 

 

行きつけの店 (新潮文庫)

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