瞬間風速-筆記帳

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【親子関係】看護婦の彼女が結婚して親になる、というのだが…



以前付き合っていた娘と彼女の部屋で話をしていた時こんな話題が出た

「返済してる?」
「うん」
「今も?」
「うん」

彼女は看護婦をやっていた
看護学校を出て看護婦になるというフツーのなり方で

彼女の家は貧しくもなくかと言って裕福でもない感じで
彼女自身の金銭感覚もフツーに見えていた

「親に看護学校行ってた時の学費を返済してるの?」
「うん」
「看護婦になって稼いだお金で?」
「うん」
「親がどっかから借りたの?」
「それは違う」

家の事情でそういう話にならざるを得ない場合があるのかもしれないけど
どうも資金のレベルの話ではないらしい

返せと迫っているのは母親で娘は母親を嫌悪している様だった

「あの女大嫌い!」

なぜどうしてと聞いた所で説明をする気はない様でこっちも深く追求する事はなかった

「そんなに嫌いなんだったら学費返済なんてしなくていいじゃん」
「…」

脳主の学費は全て親に出してもらった
当然なのか恵まれていたのか
当然と思っていた
別に浪人もした事なかったので学費が何らかのカードになりうるという事にすら意識はなかった

彼女も浪人したとかいう話ではないらしい
どういう経緯で自分の娘に金返せとなったのか見当もつかぬまま単純にこう思った

なんちゅう親じゃ

しかし彼女は親に返済するという事を止めないでいた
経済的理由で関係を絶てないという話は悲しいかなよくある話
でも彼女は既に看護婦であり収入があり自活できる立場にあった
独り暮らしをしていて実家で親と同居という訳でもなかった
なのに止めない理由とは…

何らかの心理的縛りがある事は明白だった
「あの女大嫌い!」という主張は出来ているのだから「もう払うのヤダ」と言えばいい
そう言ってみたもののそれ以上の深入りはしなかった

彼女は弟との2人兄弟の姉という立場だった

「甘えるのと甘えられるのとどっちがいいの?」
「甘える方がいい」

脳主は女に甘えたいとは思わないのでその意味では相性がよかった
ただ
彼女の甘え方は唐突でいわゆる甘え上手な表現が出来ない感じだった

聞くと
今までは結果として甘えられる方へと関係が移行してしまうパターンばかりで本人的にはどうにかしたい項目だったらしい

姉という立場がそのさせるのかな?と思いつつ甘え下手な彼女の甘え方が披露されていった

その日



どういう経緯でそう言ったのか忘れたけど
「私の人生あなたが決めてよ」とか言い出す様になっていた

基本
自分の事は自分で決めればいい(シニカルにというよりライトな感じで)志向の脳主としては
「そう負んぶに抱っこを課せられてもなぁ」な感想だった

彼女の甘えは強い依存心へと変わっていった

甘えか依存心かの展開の違いに親との関係性は大きく影響してると思う
子は親に甘える事で人間関係の第一歩が始まる
それがどう処理されるかによって人格形成の後天的な部分は決まるんじゃないかな

当然彼女の場合は…

別れの日



いつしかこっちも保身目的で彼女の主張を受け流す様になっていた
合理的な方向へと導く言葉を掛けたとしても彼女には「私を否定してる」と取られる様になり関係は終わった

再会の日



数年後会う事になった

別れの頃
正直精神病み気味だったのでどうなったんだろうかと思い出しつつ待ち合わせ場所へと向かった

何のわだかまりもなく再会出来たのは時間のせいか彼女が安定したせいか
彼女はそれなりに高級な服(派手ではなくコンサバ系の)を着てそこに立っていた

「私結婚したんだ」

あの後
看護婦を辞め憂さ晴らしで海外旅行をし帰国したら居酒屋でバイトをしていたという

そのバイト先の居酒屋で旦那と出会い結婚する事になったと説明した

「…」

人生どうなるか解らんモノだとぽか〜んとしていた

旦那は海外出張のやたら多いエリートの様で彼女は結果的に玉の輿に乗った女になっていた

「なんか周りにサバサバ系の女しかいなかったみたいで私みたいなタイプが珍しくて付き合う様になったんだって」
「ふ〜ん」
「でね向こうの親に早く男の子産め産め言われてて…」
「…」

どうも旦那はイイトコのお坊ちゃんの様で家は鎌倉にあるという
たしかにお坊ちゃんっぽい(個人のイメージです)
で性格はというと…
「間違いなくマザコンだね」との事

主張の志向が変わったのか自分は甘えられる側の人間だと悟ったのか
今書いている段階では想像してみたがその時は彼女に無関心だったせいか何も聞かなかった

「実は半年前に流産しちゃってさぁ」
彼女は元看護婦という事かそれには別に感傷的な感情は込められてなかった
ただ次の一言は非常に意味深な空気と共に静かだが感傷的な感情溢れる言葉として聞こえて来た

「私子供出来てもうまく育てられる自信がない…」

薄っぺらい言葉のどれを使って会話をしたか覚えてないが愛想笑いは特盛りだったはずだ
どちら側に相槌を打っても帯に短しになる事は瞬時に悟ったので建設的な言葉が浮かばず場当たり的な言葉でごまかしたはずだ

彼女は自分の母親に母親業を聞く訳にはいかないだろうし…
ネットでいい情報に出会えたらいいとは思うのだが…

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それ以来彼女とは何のコンタクトもとってはいない

そういえば
以前彼女の部屋には10足以上の靴のコレクションがあった
ストレス発散の対象として購入していたのか解らないけど旦那が金持ちという事で靴100足コレクションとかでストレス発散してるといいんだが